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劇団四季「南十字星」

劇団四季「南十字星」_e0073274_12255292.jpg劇団四季の昭和の戦争三部作の最後「南十字星」を観てきました。
本日もhanaさんにご一緒していただき、最近定位置になりつつある、C席にて観劇。
今回の「南十字星」は初見。
「南十字星」はオランダ領インドネシアが舞台。主人公保科がオランダからの独立運動の気運の高まるインドネシアに出征してゆき、インドネシアの独立を支援するという形で、日本がオランダを退け、新しい支配者となり、戦争が終わり、保科がBC級戦犯として裁かれてしまうところまでを描いています。
今回こそ、本当にまだまだ知らないことばかりだなあ~と痛感しました。

東京裁判で裁かれたA級戦犯の話は少しは知っていたけれど、
外地でB・C級戦犯として裁かれて罪に問われた人達が沢山いたこと、無実の方も多かったこと。殆ど釈明の余地なく死に赴いたこと~殆ど知りませんでした。
無実であるのに、当時捕虜として収容されていた、オランダ人に名前を覚えられ、誤解され、絞首刑にならなければならなかった保科少尉。他の容疑者となった人が、「ちゃんと調べてくれ」という中、「日本は無条件降伏をしたのだぞ」と返されるところ。「無条件降伏」の意味をこういう形で受け止めなければならない人達がたくさんいたんだ。
現在残る歴史の大筋は勝者の伝える歴史であり、負けた者には容赦がない。それは人類の歴史が始まって以来、20世紀の当時、21世紀の現在でもあまり変わることはないのでは・・・と感じました。

舞台は、インドネシア人であり、革命の指導者を家族に持つ女性リナと、リナが留学中の日本で知り合った保科少尉との恋も織り交ぜつつ、進みます。
舞台に池を作って、実際水に使っての田植えのシーンや、庭園に見立てたシーン、ゆらめく水面がとっても綺麗で、ステキな演出だったと思います。
バリ舞踊のシーンも多く、つい良い気分になってしまったり(うとうと)もしましたが、そんな華やかなシーンも盛り込みつつ、今回もミュージカルに仕上がっていました。

8月になり、日本に原爆が投下された日も過ぎつつあり、終戦記念日も近くなりました。
戦争を知らない世代が、平和憲法を変えようとしている今、こんな事実があったこと、経験した国でなければ分からないこと・・・考えてみなければならないし、伝えていかなければならないなあ・・・と感じた観劇でした。
こんな悲劇を知っていても、まだ争いは絶えません。
お互いを理解し、尊重しあうこと。利害が絡むと本当に難しいことなのでしょうか。

お土産にいただいた、ブンガワンソロ(インドネシアの歌)のオルゴール。
初めて聴いた曲でしたが、耳に良くなじんで、忘れられないメロディのひとつになりそうです。

劇団四季「南十字星」_e0073274_12263738.jpg劇団四季「南十字星」_e0073274_12265811.jpgそして、観劇の後は、hanaさんも、私も翌日のPP杯の練習だったので、観劇前に腹ごしらえをしました。あんまり美味しかったので、掲載。
名鉄○ブンB1の○花さんの根菜カレーと抹茶と豆腐のチーズケーキ。とってもヘルシーでした♪







例に漏れず、出演者さんについてメモメモ。長くなるかもしれません。超私的です。

今回の主役の保科少尉の阿久津さん、ヒロインのリナの大平さん、お二方をとっても楽しみにしていた私です。

阿久津さんは、LKのシンバに始まり、ハムレットのレイアティーズ、アイーダのラダメス、どの役を演じても本当に本当にカッコイイ(四季の坂口憲ニと数年前から呼んでます)のですが、今回も、どちらかというと、動きの少ないこの役をとても丁寧に演じておられて、好感が持てました。
いろいろなことがあって、無実なんだけれども、それを釈明することなく、でも自分の中では消化しきれないまま死刑を待つ、保科少尉なのですが、最後にリナが危険を冒して会いにやってきて、また自分と向き合うことによって、納得して死に赴く件に泣けました。
話逸れますが、この時代の方達というのは、本当に国を、家族を大事に思っているなあ・・・といろんな資料(?)を読むにつけ感じるのですが、そんなとこがすっごい出てて良かったと思いました。そして相変わらずすてきなビジュアルでした。でかい・・・。

リナの大平敦子さん。ってタカラヅカ時代の彼女(千紘れいか時代)が大好きだったので、ついあっちゃんと呼んでしまうのですが(なれなれしいまでのニックネーム呼び)、私彼女が四季に入ってヒロインやる作品を初めて見て、かなり感激でした(やっと観れたわよ・・・めぐり合わせ悪くてね)。タカラヅカ時代にも歌は上手いと思っていたし、濃い役(「エデンの東」のセルマに始まり、West Side・・・のグラジェラ、「うたかたの恋」のマリンカとか~)もとっても似合うと思っていたけれど、更に上手くなってたなあ~。現在の位置がとっても充実しているのを感じてとっても嬉しく思いました。年齢的に厳しいかも知れないけれど、一回アイーダとかやってくれないかなあ?彼女の声なら大丈夫そうな気がしました。

その他の方は殆ど初めて見る方でした(すっごいブランクだな。あんた・・・)。保科のお兄さんのの声がステキやったのと、お姉さんがエレガントだったのと、保科の上官様がすごい説得力だったことを付記しておきます。
by sakura0405a | 2006-07-29 23:24 | みる・きく

美味しいものとお酒、旅行とたからづかが大好きです


by sakura0405a